太平洋赤道反流とはなにか?

太平洋赤道反流は太平洋の北緯5°付近を西から東に流れる暖流で流域は年々少しずつ変わるものの、東西14.000qの長さに対し南北の幅は30〜50km、深さも100〜200mしかないまるで海の中を流れる川のような表層海流です。
この海流はそのコースや流量が変化することでエルニーニョやラニーニャ現象の発生規模を決定する要因の一つになることが知られています。
また、この海流はその南側北緯2°付近で南赤道海流と接して循環海流を構成しています。
したがって、この海流上に置かれた浮遊体は太平洋赤道付近で東端⇔西端の循環を繰り返すことになります。

この海流々域は極大規模な太陽光発電を行う上できわめて恵まれた条件を備えています。ここに巨大な浮遊体(フロート)を設置して、海流にしたがって漂流させれば、そこに数億枚のソーラーパネルなどを設置することで得られる電力を使い、水素や水素を原料とする二次製品を作るプラント工場ができます。

豊富な設置可能面積
赤道反流の一部はその東端で南米大陸に突き当たると南下して南赤道海流に合流し、今度は東から西に流れる。また南赤道海流の西端の一部ははミンダナオ付近で北上し赤道反流に合流します。
この流域を最大で見積もると約70万平方キロメートルであり、これは日本の国土の二倍弱に相当します。
そのすべてが穏やかな海面であり、台風やハリケーンが発生しませんから、フロート本体の構造も簡単で済みます。

赤道反流々域には東西端をのぞき島嶼が存在しません。したがって領海問題も存在しません。もちろん、船舶の航行や漁業への影響などで利害関係国との調整は必要です。


豊富な太陽光エネルギー
赤道のほぼ真下にあるので一年中日射量が多い上に、晴天が続くので日照時間が長い。
また、赤道反流々域では空気が渦を作らないために海が穏やかで一年中ほとんどが晴天である。(スコールはあるが降るのは夜間が多いので太陽の日照時間には関係ない。)


豊富な水
周囲はすべて水。電気分解はどれだけ大規模になっても電解槽の設置に制約がありません。

生態系や経済への影響
☆フロートの漂流域には島嶼が存在しないだけでなく、平均水深4000mの深度があるので、フロートの漂流による環境への影響は極めて軽微です。
たとえば、電気分解のために除去するNaClも漂流中に徐々に廃棄できるので海水の塩分濃度に与える影響はほとんどありません。。
☆赤道反流の東西端は魚類などが豊富に生息しますがフロートはこの海域に侵入しません。他の部分については湧昇流が存在しないので生物層は貧弱であり漁業に与える影響もないと思われます。
☆現場で生活する作業員の排泄物や生ゴミなどはメタン生成菌を培養する貯蔵槽に投入することで再利用できます。
☆水深1000メートルまで潜って餌を探すとされるマッコウクジラが広大な浮遊体の下に紛れ込んでしまうと息継ぎが出来なくなる恐れがないわけではありませんが、フロート周縁で警戒音響波を発することで迷入を防ぐことができると考えられます。(未実証)
また、フロートの随所に設置される水上飛行機用の離発着スペースやトルエンプールなども、万一のときのクジラの息継ぎ避難場所になり得ると期待されます。(未実証)




上述のように、フロートは赤道反流上と南赤道海流の北端を浮遊して循環しますが、その東端には南赤道寒流が大陸沿いに北上して湧昇流が生じるために絶好の漁場になっており、また東端手前にはにはガラパゴス諸島が存在し、反流はその北方を流れているので、フロートはガラパゴスに近づきすぎないよう、ガラパゴスの西方200kmのあたりで方向転換をして南赤道海流に乗り移り西方に戻らなければなりません。
フロートを海流に逆らって方向転換させるメカニズムは当社団の保持するノウハウであり、現時点での情報公開はしておりません。。

赤道反流の海図

上図は1951年から2,006年までの、太平洋赤道を挟んで発生する台風とハリケーンの発生頻度と進路、強度を示します。
赤道反流上には台風もハリケーンも発生しないことが図の上でも分かります。


フロート(水素基地)のイラスト

語彙の説明&イラスト

極大規模な太陽光発電
構想完成時点での発電量は

表層海流











このページの出典と参考文献
太陽光エネルギーを水素で貯蔵、変換効率15.3%を達成
China's Electricity Consumption Increased by 4.5% in 2019


HOME